GPT-5.6 三モデルどう選ぶ?Sol・Terra・Luna 完全購入ガイド

購入ガイド  ·   ·  約 15 分

ノート PC で GPT-5.6 Sol・Terra・Luna 三ティアの選定画面を比較する開発者

ひとことで言うと:OpenAI は今回「GPT-6」を直接出さず、Sol・Terra・Luna という三つの新名称を一気に並べた——料金ページに三つの価格が横並びで、多くの人が最初に思うのは「この三つをどう分担すれば無駄遣いにならないか?」という点だ。 以下ではこの新命名ロジックから始め、三ティアのスペック・ベンチマーク差・ChatGPT/Codex サブスク権限、開発者向けルーティングコードまで、実行可能なチェックリストとして順に解説する。

token 課金の基本がまだ曖昧なら、先に Token 価格比較 を。待っているのが整数世代の GPT-6 なら、GPT-6 リリース時期の予測記事(日本語版は準備中)が「待つ必要があるか」を整理してくれる。

3
durable 能力ティア
1.05M
三ティア共通コンテキスト
Sol の Luna 比出力単価

なぜ今回は三モデルで、一つの「GPT-6」ではないのか?

2026 年 7 月 9 日、OpenAI は GPT-5.6 ファミリーを全量公開した:フラッグシップ Sol、バランス型 Terra、コスパ重視の Luna。その前、Sol は 6 月 26 日に信頼パートナー向け限定プレビューで先行公開済み。これは「一モデル三つの仮装」ではなく、命名ルールの刷新だ:数字(5.6)が世代を表し、Sol / Terra / Luna がそれぞれ独立進化する能力ティア——将来ある世代では Terra や Luna だけが更新され Sol は据え置き、三製品線が同一リリースサイクルに縛られなくなる。

購入判断への影響は想像以上に大きい。以前の「アップグレードするか」は単一選択だったが、今は「三ラインをそれぞれどの版まで上げるか」の組み合わせ問題になった。幸い三ティアは入力形式・ツールプロトコル・コンテキスト窓が完全に同一で、モデル切替は文字列を変えるだけ——Prompt やツール定義の書き直しは不要。

「三つの製品」と「三つの入口」を区別する

Sol / Terra / Luna はモデルティア;ChatGPT、ChatGPT Work / Codex、OpenAI API は三つの異なる接続チャネル。同一ティアでもチャネルごとに開放ルールが異なる——ChatGPT サブスク権限でチャネル別に整理する。

表で一発理解:Sol / Terra / Luna のスペックと料金

三ティアのコンテキスト窓、最大出力長、ツール対応(関数呼び出し、Web 検索、ファイル検索、computer use)は完全一致。ハードな差は価格と推論効率のみ——選定の核心は「このタスクに数倍の単価を払う価値があるか」であり、「必要機能をサポートしているか」ではない。

モデル API モデル ID 入力 / 出力(100 万 token あたり) コンテキスト / 最大出力 位置づけ
GPT-5.6 Sol gpt-5.6-sol(エイリアス gpt-5.6 $5 / $30 1.05M / 128K 複雑なコーディング、科研、失敗コストの高い長タスク
GPT-5.6 Terra gpt-5.6-terra $2.50 / $15 1.05M / 128K 日常 Agent ループ、コスパ基準線
GPT-5.6 Luna gpt-5.6-luna $1 / $6 1.05M / 128K 高並列分類・抽出、検証可能な初稿

公式の参照系は GPT-5.5:Terra は「GPT-5.5 と同等以上の性能でより安い」、Luna は「より速く、より省」な入門ティア。GPT-5.5 をベースにしているなら Terra への切替は「性能維持・請求削減」の無料アップグレードに近い——唯一必要なのは自社評価セットでの挙動ドリフト確認。

図解:タスク入力から実行までのルーティング経路

新タスクがシステムに入る まず判定:反復 / 複雑 / 高リスク
デフォルトで Terra にルーティング バランス基準線、多くの Agent ループに十分
ルーターがシグナルを確認 失敗コスト、タスク構造、採点器の有無
実行 + ログ記録 モデル、effort、token、レイテンシ、コストを同一トレースに

Sol に昇格すべきシグナル

  • 複数ファイルにまたがり、多段計画と自己修正が必要
  • computer use でレンダリング結果を確認したい
  • セキュリティ評価、複雑デバッグ、科研級推論
  • 失敗コストが高く、成功率のために数倍の単価を払う価値がある

Luna に降格すべきシグナル

  • 入力構造が固定で、出力をルールや人手で素早く検証できる
  • 高並列分類、フィールド抽出、タグ付け
  • 信頼できる grader による再検証がある
  • 量が質より優先、単価に敏感
多くのチームが本当に節約できるのは「最安モデルだけ使う」ことではなく、通常リクエストの 90% を Terra / Luna に押し、高価値リクエストだけ Sol に課金すること。

ベンチマーク実測:高いモデルは何が違う?

OpenAI 公開ベンチマークはコーディング、ナレッジワーク、ブラウジング、セキュリティなど多岐にわたる。選定に直結する主要結果を抜粋(いずれも公式評価——本番効果は自社タスクセットで再検証を):

ベンチマーク Sol Terra Luna GPT-5.5
Artificial Analysis コーディング Agent 指数 80.0(新 SOTA) 77.4 74.6 76.4
Agents' Last Exam(長期専門タスク) 52.7% 50.4% 50.3% 46.9%
OSWorld 2.0(computer use) 62.6% 50.2% 45.6% 47.5%
SEC-Bench Pro(セキュリティテスト) 71.2% 57.7% 48.9% 45.8%

読み取れる法則は二つ:コーディングと長期専門タスクでは三ティアの差は大きくない——Terra、Luna はすでに GPT-5.5 を追い越しており、日常 Agent ループに Sol プレミアムは不要なことが多い;computer use とセキュリティテストでは Sol の差が顕著——多段自己修正と精密操作が必要な場面に対応し、Sol が 5 倍高い理由でもある。

単発スコアの % だけ見ない

公式は Sol がより少ない出力 token、より短い時間で高スコアを取ると強調——単価が高くても総請求が必ず高いわけではない。評価は 100 万 token あたりの表価格ではなく「成功タスクあたりの実コスト」で、特に多段リトライがある場面。

一般ユーザー向け:ChatGPT サブスク権限対照表

ChatGPT 本体、ChatGPT Work / Codex、開発者 API——三チャネルで開放ルールが異なり、混同しやすい:

チャネル / プラン 利用可能モデル 備考
ChatGPT · Plus / Pro / Business / Enterprise Sol(中 / 高推論強度) Pro、Enterprise は Sol Pro も選択可——最高品質の複雑タスク向け
ChatGPT Work / Codex · Free / Go Terra 無料枠に Sol / Luna の手動切替なし
ChatGPT Work / Codex · Plus 以上 Sol / Terra / Luna 自由選択 タスクごとに推論強度(effort)を個別設定可
max 推論強度 GPT-5.6 権限を持つ Work / Codex 全ユーザー 設定で手動有効化——デフォルトより遅いがより徹底
ultra(マルチ Agent 並列) Work:Pro / Enterprise;Codex:Plus 以上 デフォルト 4 Agent 並列——より多い token 消費で速く強い結果

たまに ChatGPT で質問するだけなら Plus の Sol(中推論強度)で十分。Codex を日常コーディング相棒にするなら Terra をベースに、クロスファイルリファクタや本番障害調査のときだけ Sol に手動切替——常に最高ティアを開きっぱなしにしない。

開発者向け:モデル ID・キャッシュ・ルーティングコード

API で最も踏みやすい罠はgpt-5.6 エイリアスを固定版と思い込むこと——デフォルトで gpt-5.6-sol にルーティングされ、将来アップグレードで挙動がドリフトする。本番では完全モデル ID を直接指定:

モデルルーティング疑似コード(Sol / Terra / Luna 三ティア · Python)
# タスク種別と失敗コストで選ぶ——フラッグシップに無条件投げない
def pick_model(task: str, blast_radius: str = "low") -> tuple[str, str]:
    if blast_radius == "high" or task in ("security_review", "multi_file_refactor"):
        return "gpt-5.6-sol", "high"      # 失敗コスト高、推論強度最大
    if task in ("ticket_tagging", "field_extraction", "draft_for_review"):
        return "gpt-5.6-luna", "medium"   # 構造固定、人手レビューあり
    return "gpt-5.6-terra", "medium"       # デフォルト基準線、多くの Agent ループに十分

選んだモデル、推論強度、ツール呼び出し回数、token 使用量、最終スコアを同一ログに記録して初めてルーティングを反復改善できる——OpenRouter 実利用量ランキングでも示す通り、ルーティングは実行時ポリシーでありコードに焼き付けた定数ではない。

キャッシュ課金ルールが変わった——会計も追従を

GPT-5.6 は明示的キャッシュブレークポイントと 30 分の最短キャッシュ寿命を導入:キャッシュ書き込みは非キャッシュ入力単価の 1.25 倍、キャッシュヒット読み取りは 90% 割引のまま。安定したシステムプロンプト、Schema、参照資料をプロンプト前段に置きブレークポイントを設定すれば、繰り返しコンテキストの多い Agent の実コストを大幅削減——ただし毎回内容が変わるリクエストにブレークポイントを足しても複雑さだけ増えて得にならない。

もう二つの注目機能:Programmatic Tool Calling(Responses API でモデルがプログラムを書いて複数ツール呼び出しを調整し中間結果をフィルタ——大量データの往復を減らし、ゼロデータ保持 ZDR も互換);Beta のマルチ Agent 並列ultra の仕組み)。どちらも単一のデータ集約シナリオでベンチマーク比較してから既存の直接ツール呼び出しを置き換え、常に単 Agent へのフォールバックを残す。

6 つの実シナリオ別おすすめ

シナリオ 推奨ティア 理由
CS チケット分類 / フィールド抽出 Luna 入力構造固定、ルールや人手で素早く再検証可能
日常コーディング Agent(コード修正 + テスト実行) Terra コーディング指標は GPT-5.5 同等以上、価格は Sol の半分
クロスファイルリファクタ / 本番障害根本原因調査 Sol 失敗コスト高、多段計画と自己修正が必要
長文 / 契約要約(数十万 token 入力) Terra から、精度不足なら Sol 三ティアとも 1.05M だが、長コンテキスト検索品質は Sol が安定
セキュリティ評価 / ペンテストレポート生成 Sol(Trusted Access 要) Cyber 系ベンチマーク差が最大、フル能力はアカウント検証が必要
大量コンテンツ初稿(後続で人手レビュー) Luna 「初稿は必ずレビューされる」が公式の典型 Luna シナリオ

セキュリティ要件:Cyber 権限の締切を見落とすな

OpenAI Preparedness Framework では Sol、Terra、Luna 三ティアともサイバーセキュリティ生化学の追跡カテゴリで「High」判定(「Critical」未満)——これまでで最も厳格なガードレールが付く。公式データでは Sol の cyber 安全柵がブロックした潜在有害活動量は前世代の約 10 倍

セキュリティ研究 / レッドチーム / パッチ検証チーム向けの硬性期限:個人アカウントは 2026 年 9 月 1 日までにハードウェアキー対応の Advanced Account Security(Yubico 等のハードウェア Passkey)を有効化しないと、最高サイバー能力のフロンティアモデルへのフルアクセスが失われ、デフォルト権限にフォールバック。企業チームは Trusted Access for Cyber プログラムで別途申請。

  • 個人— 早めに本人確認と Trusted Access 申請;9 月 1 日までにハードウェア Passkey 設定
  • チーム / 企業— セキュリティチーム向け申請フローを事前計画、本番当日の権限審査待ちを避ける
  • 一般開発者— 攻撃防御系タスクがなければこの制限は基本無関係、通常 API 呼び出しで問題なし

よくある誤解

  • 「高いほど正解」— コーディング・長期タスクでは Terra、Luna が GPT-5.5 を追い越している。Sol 一本は無駄が多い。
  • gpt-5.6 エイリアスで手間省略」— エイリアスはアップグレードでドリフト。本番は完全モデル ID を固定。
  • 「コンテキストが大きければ検索不要」— 1.05M は選択肢であって目標ではない。長コンテキストでは Luna の検索品質が Sol / Terra より明確に劣る。
  • 「キャッシュブレークポイントは何でも足す」— 毎回内容が変わるリクエストでは 1.25 倍書き込み料だけ増えて得なし。
  • 「ultra は Agent 多いほど良い」— マルチ Agent 並列はまだ Beta。単 Agent + 信頼 grader を先に、並列の追加 token コストが worth か後で評価。

よくある質問

GPT-5.6 はいつリリース?三モデルは同時? Sol は 2026 年 6 月 26 日に限定プレビュー先行。Sol・Terra・Luna は 7 月 9 日に ChatGPT、Codex、API で同期全量公開、24 時間以内に全世界で段階的全量利用可能。

API の gpt-5.6 エイリアスはどこへ? デフォルトで gpt-5.6-sol。固定挙動には完全モデル ID を直接指定し、将来アップグレードによるドリフトを避ける。

Terra と Luna は Sol の劣化版? いいえ。独立進化する能力ティア。現時点 Terra のコーディング / ブラウジングは GPT-5.5 超え、Luna はコスパ最高だが長コンテキスト・高難度科研では明確に劣る。

無料 ChatGPT で GPT-5.6? 本体無料枠は旧モデルまたはレート制限新モデル中心。Work / Codex Free / Go で Terra。Sol は Plus 以上で推論強度を上げる。

一モデルしか予算がないなら? Terra から——公式の日常コスパ基準線、Sol 半額で GPT-5.5 同等以上。Sol は失敗コスト高タスク、Luna は自動採点大量タスクに。三ティアルーティングは単一モデルより通常安い。

ZavCloud

モデルルーティングとベンチマークを安定したマシンで

Sol / Terra / Luna の比較、Codex CI、大量ベンチマーク——専有 Mac mini M4 クラウドを日単位レンタル。固定 IPv4 と 1Gbps 出口で、共有算力の奪い合いにベンチマーク結果が左右されない。

Cloud Mac プランを見る
Cloud Mac Mac mini をオンラインでレンタル