ディスプレイの横に置くローカルAI機と、時間課金のクラウドGPUでは、出ていくお金の種類が違います。 以下ではこの64GB構成のメモリ、帯域、ソフトウェアを先に分け、1日4時間、8時間、常時稼働の3パターンで3年分を、RTX 4090、L40S、A100、H100のレンタルと並べます。どのモデルが載るか、生成速度がどこで止まるか、Macの仕事はどこに残るかは、その後の節です。
64GB構成は、何が同じで何が半分か
2026年10月、NVIDIAはDGX Sparkに64GB構成を足しました。チップはこれまでどおりGB10 Grace Blackwellスーパーチップです。Arm CPUは20コア(Cortex-X925が10、Cortex-A725が10、MediaTekとの共同設計)、GPUはBlackwell、Tensor Coreは第5世代、基板上のConnectX-7は200Gbpsです。システムメモリはCPUとGPUが同じアドレスで触れる64GBのLPDDR5Xで、帯域は273GB/s。電源は240W、GB10のTDPは140W、外形はおよそ150×150×50.5mm、重量1.2kg。OSはDGX OSで、その上はCUDAスタックです。WindowsデスクトップでもmacOSでもありません。
2026年10月23日から、Acer、ASUS、Dell、Gigabyte、HP、MSIが販売します。NVIDIAの開始価格は4,999ドル。NVIDIAブランドの64GB Foundersはありません。128GB版は継続し、The Registerは2026年10月2日に、その価格が6,950ドルへ動いたと報じています。発売時の3,999ドルからかなり上がっています。複数の報道は、64GB版のストレージも半分だと伝えています。ドライブ本数と容量は各社の構成表を見てください。「最大4TB」は製品ファミリーの上限であり、全台が満載という意味ではありません。
| 比較 | メモリ | 帯域 | 買っているもの |
|---|---|---|---|
| DGX Spark 64GB | 64GBユニファイド | 273 GB/s | 机の上に常駐し、データを外に出さない大きなモデル |
| RTX 4090のクラウド | 24GB | 約1 TB/s | 24GBに収まるモデルを、必要な時間だけ |
| L40S | 48GB | 約864 GB/s | 4090より一回り大きい枠。課金は時間のまま |
| A100 80GB / H100 80GB | 80GB HBM | 約2 TB/s / 約3.35 TB/s | 学習、同時実行、より高い精度の大モデル |
1 PFLOPはH100との速度比較に使えません
NVIDIAが書くのはFP4のAI性能で最大1ペタFLOPです。Sparkの中での区別には使えます。H100のBF16学習スループットではありません。単発生成の速さは、次の帯域の話です。
64GBに残せるモデル
NVIDIAの説明は、64GB単体で最大約1,000億パラメータをローカル推論・微調整・エージェントに使い、ConnectX-7で2台を直結するとメモリプールが128GBになり、上限は約2,000億パラメータ、というものです。精度と一緒に読んでください。重みの大きさはおおむね「パラメータ数 × 1パラメータあたりのバイト数」です。GGUFのQ4は約0.55〜0.6バイト、FP8やQ8は約1バイト、BF16は約2バイト。OSとランタイム、KVキャッシュにさらに8〜12GBを残します。表は容量の判断であり、特定リポジトリの実測トークン速度ではありません。
| 規模 | 重みの目安 | 64GB | 実際の境界 |
|---|---|---|---|
| 8B、Q4 | 約5GB | 余裕 | 長いコンテキストとツール呼び出しがまだ入る |
| 32B、Q4 | 約18GB | 余裕 | ローカルのコーディング補助でよくあるサイズ |
| 32B、Q8 / FP8 | 約32〜35GB | 載る | コンテキスト長は自分で切る |
| 70B、Q4 | 約38〜42GB | 載るが余白は狭い | 先に尽きるのは重みではなくKV |
| 70B、FP8 | 約70GB | 載らない | 128GB版か、クラウドの80GB |
| 約100B、Q4 | 約55GB | 公称上限の近く | KVの予算がほぼない。常用には向かない |
| 405Bの実用精度 | 64GBを大きく超える | 不可 | 複数台かクラウド |
微調整は推論よりメモリを使います。8Bから14BのQLoRAはこの機械が楽な範囲です。32BのQLoRAは試せますがバッチはごく小さくなります。70Bの全パラメータ微調整や高ランクのアダプタは64GBでは足りません。NVIDIAが64GBの用途に微調整を含めているのは、メモリに入るサイズの話であり、「70Bを自由に学習できる」という意味ではありません。
価格の前に、重みの体積を出す
常駐させたいモデルをQ4とFP8の両方で一度計算してください。20〜45GBに落ちるなら、この機械は候補です。8GB、または70BのFP8なら、あとの費用表は別の列へ移ります。
生成速度は、先に帯域で止まる
バッチ1の単発生成では、トークンごとに重みをほぼ一度読みます。上限の見積もりは「メモリ帯域 ÷ 重みの大きさ」です。これは天井であってベンチマークではありません。カーネルのオーバーヘッド、KV、CPUで実測はもっと低くなります。
- 8B Q4、約5GB — 273 ÷ 5 ≈ 55トークン/秒が帯域上の上限
- 32B Q4、約18GB — 273 ÷ 18 ≈ 15トークン/秒
- 70B Q4、約40GB — 273 ÷ 40 ≈ 6.8トークン/秒
同じ式をH100 SXMの約3.35TB/sに置くと、40GBの重みの上限はおよそ80トークン/秒の桁です。4090の帯域は約1TB/sですが、24GBには70BのQ4が入りません。Sparkの位置はこの隙間です。コンシューマGPUには入らないモデルを、H100のスループット代なしで机に置く。買っているのは「載ること」と「データが机に残ること」であり、「データセンターGPUと同じ速さ」ではありません。
3年の勘定は、買い切りと時間課金で単位が違う
4,999ドルは最初の1行です。電気代は推論中のシステム160W、単価0.15ドル/kWhで置いています。160WはチップTDPの140Wと電源240Wの間の計画値であり、測った電力曲線ではありません。3年の時間は365.25日で、1日4時間なら4,383時間、8時間なら8,766時間、常時なら26,298時間です。
クラウド側は、2026年9月末時点でRunPodの公開価格にまだ対応づけられた時間単価を計画値にしています。マーケットの最安値は使っていません。RTX 4090は0.50ドル/時(コミュニティ0.34ドルとセキュア0.74ドルの間)、L40Sは0.90ドル(0.79ドルと1.09ドルの間)、A100 80GBは1.39ドル、H100 SXMはコミュニティの2.69ドルです。ストレージ、外向き転送、待ち時間は入っていません。単価は毎週動きます。発注当日の価格で計算し直してください。
# hours: 3年のうち、実際に推論している時間 hours = hours_per_day * 365.25 * 3 cloud = hours * hourly_usd # 0.160 kW と 0.15 USD/kWh は仮定 spark = 4999 + (0.160 * hours * 0.15)
| 3年の使い方 | Spark 64GB | 4090 · $0.50 | L40S · $0.90 | A100 · $1.39 | H100 · $2.69 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1日4時間 | $5,104 | $2,192 | $3,945 | $6,092 | $11,790 |
| 1日8時間 | $5,209 | $4,383 | $7,889 | $12,185 | $23,581 |
| 常時稼働 | $5,630 | $13,149 | $23,668 | $36,554 | $70,742 |
4,999ドルを時間単価で割ると、おおよその分岐は4090で1日約9時間、L40Sで約5時間、A100で約3.3時間、H100で約1.7時間です。電気代と3年後の残存価値で線は動きます。残存価値の予測値は置きません。機械は残り、レンタル時間は残りません。仮に1,500ドルで手放せるなら、沈んだハードウェアは3,499ドルになり、分岐はもっと早く来ます。これは感度であり、売却価格の約束ではありません。
64GB、128GB、ケーブルでつなぐ2台
64GBと128GBはチップ、帯域、DGX OS、ConnectX-7が同じです。違うのは容量と、報道にある半分のストレージです。128GB版の6,950ドルで増える1,951ドルが買うのは、70B FP8が載ること、Q4の70BにKVの余白があること、微調整のバッチを大きくできることです。重みがすでに55GB付近なら、64GBを買って「あとで量子化を強くすればよい」とは考えないでください。
64GBを2台、QSFPケーブルで直結します。スイッチは不要で、NVIDIAのクラスタ支援が検出とConnectX-7の設定を扱います。プールは128GB、計算と帯域はおよそ2倍、開始価格は9,998ドルです。128GB単体の6,950ドルと並べると、小さい方を2台買うのはメモリを安く買う経路ではありません。32B〜70B Q4を1台で回し切ってから、2台目の計算が要ると分かったときに足す経路です。
4,999ドルを払う条件
買う価値があるのは、次の4つが同時に立つときです。常駐する重みがおよそ20〜45GBで、24GBのカードには入らない。月に数夜だけではない、平日の大半で電源が入っている。データを部屋の外に出せない。そして70B Q4の生成が1桁トークン/秒付近でも仕事になる。このとき払っているのは常駐とデータの境界です。A100やH100を3年借り続けると、桁が一つ上がります。
買わない条件も同じくらい具体的です。8B〜32Bを1日数時間なら、3年は4090のレンタルの方が安く、帯域も上です。学習、高い同時実行、70BのFP8、長いコンテキストは、64GBも273GB/sも足りません。80GBを時間で借りるか、6,950ドルの128GBを見てください。必要なのがmacOS、Xcode、Core MLなら、Arm Linuxのこの機械は価格の前に系統が違います。
先に、先週の実時間を書く
過去2週間でモデルが実際にGPUを占有した時間を足し、26倍して1年分にしてください。「そのうち常時つけっぱなしにする」で表を埋めないでください。時間を盛ると、3年の表が埋まらない機械の方へ押し出します。
macOSの開発機の代わりにはならない
DGX Sparkが解くのは、CUDAのモデルをローカルに置き、しかもコンシューマGPUより大きい、という問題です。Claude CodeやCursorの実行環境、Xcodeのビルド、シミュレータ、Core MLは別の問題で、必要なのはApple Silicon上の本物のmacOSであり、GB10ではありません。4,999ドルのSparkを「強いMac mini」として扱うと、CUDAは使い切れず、iOSのパイプラインは始まりません。
重い仕事が夜間CI、リポジトリの索引、長いエージェント実行なら、デスクトップGPUをもう一枚買うより、占有のリモートMacの方が仕事に近いことが多いです。ZavCloudの料金ページでは、Mac mini M4 16GBの月額目安が約99.3ドル、24GBが約199.3ドルです。36か月連続ならおよそ3,575ドルと7,175ドルで、確定するのは注文時の価格です。この2枠は70Bを動かさず、SparkとCUDAスループットを比べる対象でもありません。対応するのはMac miniの購入とCloud Macの3年コストと、手元のMacとリモートmacOSの分け方です。モデルはSparkかクラウドGPU、パッケージと署名はMac。一台に全部載せない方がきれいです。
よくある質問
DGX Spark 64GBで70Bは動きますか?
Q4は約40GBなので載ります。コンテキストの予算は広くありません。FP8は約70GBで載りません。
3年ではどちらが安いですか?
24GBに入り、1日数時間なら4090のレンタルが安いことが多いです。40GB前後を平日の大半で置くなら、Sparkの購入はA100やH100の時間課金より下です。H100を3年つけっぱなしにすると7万ドル前後になり、この機械とは別の問いです。
1 PFLOPはデータセンターGPUより速い、と言えますか?
言えません。FP4のピークです。単発生成は273GB/sで頭打ちになり、70B Q4の帯域上限はおよそ7トークン/秒です。
64GBを2台で128GBにするのは得ですか?
メモリを買う目的では得ではありません。9,998ドルと、128GB単体の6,950ドルの差は、2セット目の計算資源です。計算が要るときに2台目を買ってください。
Xcodeや、macOS上のClaude Codeに使えますか?
使えません。システムはDGX OSです。macOSのツールチェーンはMacか、ビルドとエージェント実行を受け持つ占有のリモートMacに置きます。
- 仕様と開始価格 — NVIDIA DGX Spark。64GBはOEM構成
- 価格と発売日 — Tom's Hardware、2026年10月
- 128GBの値上げとストレージ半減 — The Register、2026-10-02
- クラウドGPUの単価 — RunPodの価格。表は2026年9月末に見えた公開枠
ZavCloud Cloud Mac
モデルは載る場所へ。ビルドとエージェントはMacへ
占有のMac mini M4、本物のmacOS、SSH / VNC。Xcode、Core ML、つけっぱなしのエージェント実行向けです。64GBのCUDAボックスの代わりにはしません。
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